第二種電気工事士は難しいですか。合格率と、本当の難しさの話

「第二種電気工事士って、難しいですか」

いちばん最初に聞かれる質問です。先に数字を見てしまいましょう。

数字だけ見れば、難しい試験ではありません

試験センターが公表している、直近の合格率です。

回学科試験技能試験
令和8年度 上期62.2%73.4%
令和7年度 下期55.4%71.4%
令和7年度 上期57.7%72.0%
令和6年度 下期55.9%69.5%
令和6年度 上期60.2%70.9%

学科がだいたい6割、技能が7割です。2人に1人以上が受かっています。国家資格としては、かなり通りやすいほうです。

免状をもらうには学科と技能の両方に受かる必要があるので、単純にかけ算すると4割台半ばになります。ただし技能試験には学科免除の方も含まれるので、この数字はあくまで目安として見てください。

いずれにしても、「一部の器用な人しか受からない試験」ではありません。そこは安心してください。

合格率が教えてくれない数字があります

ここからが本題です。同じ公表データの、別の列を見てください。

令和8年度 上期申込者受験者差
学科試験88,265人78,290人9,975人
技能試験62,458人58,393人4,065人

学科試験だけで、約1万人が受けに来ていません。申し込んで、お金を払って、それでも会場に来ていない人がこれだけいます。

合格率には、この人たちは入りません。受けた人の中での割合だからです。

なぜ来ないのか。理由ははっきりしています

この1万人を、やる気のない人たちだと思わないでください。むしろ逆です。

まず、試験の申し込みは、けっこう早く始まります。試験日はずっと先です。

だから申し込むときは、みなさんやる気にあふれています。「よし、取るぞ」と思って手続きをします。ここは全員そうです。

そのあとに起きることが、だいたい同じなんです。

  • 日々の忙しさに忙殺されます。仕事があって、家のことがあって、気づくと1週間経っています
  • 「明日やろう」「来週から本気出そう」が続きます
  • 始めてみたら難しくて、そこで止まります。計算が出てきて、次のページに進めない

そして試験日が来て、「今回はいいや」となります。お金は払っているのに、行かない。これが1万人の中身です。

指導していて思うのは、この試験でいちばん多い脱落は「不合格」ではなく「途中でやめる」だということです。間に合わなかった、手をつけられなかった、自信がなくなった。そういう終わり方です。

だから、本当の勝負は申し込んだ日から始まっています。申込日と試験日のあいだをどう埋めるか。ここが決まれば、合格率6割・7割の試験です。

ちなみに、止まる場所は毎回だいたい同じです。計算のところか、複線図のところ。そこだけ人に聞けば、また動き出します。1コマだけ取る、という使い方をされる方が多いのはこのためです。

逆に言えば、最後まで続けて会場に行けた人は、かなりの確率で受かります。これがこの試験の実像です。

会社に言われて取る人も、けっこういます

もうひとつ、途中で止まりやすいパターンがあります。自分で取りたいわけではない場合です。

「会社に取れと言われました」という方は、実際に多いです。そして、なかなかモチベーションが上がりません。これは、しかたないと思います。

しかも、こういう方ほど現場ではもう動けてしまうんです。

正直に書きますが、資格を持っていないのに現場の配線くらいは分かる、という人は実はたくさんいます。手順を見て覚えてしまうからです。本人にしてみれば「今さら試験?」という気持ちになります。

ただ、はっきり書いておきます。資格がないまま電気工事をするのは、法律で禁じられています。本人だけの問題ではなく、会社の問題にもなります。会社が「取ってこい」と言うのは、そのためです。

現場を知っている人は、実は有利です

やる気が出ない方に、ひとつだけ言わせてください。

現場が分かる人は、技能試験で有利です。器具の扱いも、線の押さえ方も、体が知っています。ここは初めての人が何週間もかけるところです。

その代わり、試験には試験のルールがあります。複線図の書き方、寸法、欠陥の基準。現場でうまくいっている作り方が、試験では欠陥になることもあります。ここだけは、知っているかどうかの問題です。

だから、こういう方の場合はやることがはっきりしています。学科の計算と、試験のルール。この2つだけです。ゼロから始める人と同じ順番でやる必要はありません。

短く終わらせて、さっさと免状をもらってください。それがいちばん気が楽だと思います。

それでも、取るのは自分のためです

会社に言われて取る場合でも、ここだけは動きません。免許を取るのは、自分軸である必要があります。

理由は単純です。免状は会社のものではなく、あなたのものだからです。会社が変わっても、辞めても、ずっと残ります。会社の都合で始まった話でも、残るのは自分の資格です。

とくにすでに実務経験がある方は、取ったあとを一度考えてみてください。

実務経験があって、そこに免状が加わる。これは市場では強い組み合わせです。転職を前提にしなくても構いません。ただ、自分の価値がどのくらい上がるのかを、いまの会社の中だけで判断しないでほしいんです。

俯瞰で見てから「やっぱり今の会社がいい」と決めるのと、見ないまま続けるのは、まったく違います。取ったあとに何ができるようになるかは別の記事にまとめました。

そこを一緒に考える人がいます

とはいえ、自分の市場価値を自分で測るのは難しいです。

当校には、国家資格を持ったキャリアコンサルタントが常駐しています。資格の勉強とは別に、そこを相談できます。

「この経験と免状で、どういう選択肢があるのか」「いま動くべきか、もう少し実務を積むべきか」。試験の先の話を、試験の前にしておけます。そのほうが、勉強の意味もはっきりします。

それに、正直なところ転職はしなくてもいいんです。

「いま自分は、市場でこのくらいの価値がある」と分かるだけで、自信になります。これが大きいんです。

自分の値打ちが分からないままだと、どうしても弱気になります。逆に、数字や選択肢の形で見えていると、いまの職場での振る舞いまで変わります。動かないと決めたときも、それは「行き場がないから残る」ではなく「選んで残る」になります。

資格を取る意味は、そこにもあります。

それでも落ちる人には、はっきり理由があります

では、受けたのに落ちる人はどこでつまずいているか。学科と技能で、原因がまったく違います。

学科は「計算から入って心が折れる」

テキストの最初は計算です。オームの法則、合成抵抗、三相交流。ここでつまずいて、そのまま止まる人が本当に多いです。

でも学科は60点で合格です。計算問題は全体の一部なので、そこを半分取れれば十分に届きます。この話は計算が苦手な人向けの記事に詳しく書きました。

技能は「迷う」と「やり直す」

技能で落ちるのは、手先が不器用な人ではありません。複線図があいまいで迷う人と、圧着でずれてやり直す人です。

どちらも練習量では埋まりません。技能で落ちる理由の記事と時間が足りない人向けの記事にまとめています。

難しさの正体は、量ではなく順番です

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

多くの人は、学科を全部終わらせてから技能に入ろうとします。試験の順番がそうなっているので、当然です。

でも、これが遠回りなんです。複線図を先にやると、学科の配線図の問題がそのまま解けるようになります。技能のためにやったことが、学科の点数になって返ってきます。

同じ勉強量でも、順番を変えるだけで届き方が変わる。難しいのは中身ではなく、進め方なんです。詳しくは学科と技能を同時に進める記事に書きました。

「自分に向いているか」で迷っている方へ

よくある不安を、先に打ち消しておきます。

  • 文系でも大丈夫です。必要なのは九九と分数と、因数分解が少しだけです
  • 未経験でも大丈夫です。受験に実務経験は要りません
  • 不器用でも大丈夫です。落ちるのは器用さではなく迷いです
  • 女性でも大丈夫です。ただし工具は選んでください。ここだけは本当です

女性の工具の話はこの記事に、取ったあとどうなるかはこの記事に書いています。

第二種電気工事士の合格率はどれくらいですか

直近では学科試験が55〜62%、技能試験が70〜73%です。両方に受かって免状が出ます。国家資格としては通りやすいほうです。

学科と技能、どちらが難しいですか

合格率だけを見れば学科のほうが低いです。ただし技能は落ちると半年待ちになるうえ、当日の40分ですべてが決まります。準備の重さで言えば技能です。

文系・未経験でも受かりますか

受かります。受験に実務経験は要りません。計算も九九と分数ができれば足ります。実際、まったくの未経験から合格された方を何人も見ています。

独学でいけますか

いけます。ただし途中でやめてしまう人が多い試験です。申し込んだのに会場へ来ない人が毎回1万人近くいます。申し込みは試験のかなり前に始まるので、そのあいだに「明日やろう」で止まってしまうんです。続けられる仕組みを先に作ってください。

会社に取れと言われましたが、やる気が出ません

よくあります。ただ現場を知っている方は技能試験で有利です。足りないのは学科の計算と、試験のルール(複線図の書き方や欠陥の基準)だけであることが多いので、そこに絞って短く終わらせるのが現実的です。

転職やキャリアの相談もできますか

できます。国家資格を持ったキャリアコンサルタントが常駐しています。転職する前提でなくて構いません。いま自分が市場でどのくらいの価値になるのかが分かるだけでも自信になりますので、そこだけ聞きに来ていただいてもいいです。

落ちたら次はいつですか

半年後です。学科に受かって技能で落ちた場合は、次回の学科が免除になります。この免除の範囲は制度が変わっているので、受験案内でご確認ください。

※ 合格率・申込者数・受験者数の出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験の試験結果と推移」(2026年9月時点で公表されている数値)。最新の数値は同ページでご確認ください。
※ 一般用電気工作物の電気工事は、電気工事士でなければ従事できません(電気工事士法)。無資格での作業は本人・事業者ともに罰則の対象となります。
※ 学科と技能をかけ合わせた割合は当校による単純計算です。技能試験の受験者には学科免除者が含まれるため、実際の最終合格率とは一致しません。

進め方を一緒に決めたい方は、無料体験レッスンからどうぞ。学科試験対策と技能試験対策のページに、当校での進め方をまとめています。

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