技能で落ちた人が、次にやること。複線図を色分けして13問ぶん書きます
技能試験に落ちたあと、何をすればいいか。
もうこれは明確です。繰り返し練習することです。
が!
その前に。学科はやり直さなくて大丈夫です
本題に入る前に、ここを心配している方が多いので先に書いておきます。
技能で落ちても、学科をもう一度受ける必要はありません。学科に合格していれば、申請すれば学科は免除されて、技能から受けられます。
しかも令和7年から、免除の範囲が広がりました。それまでは「次回」の試験だけでしたが、「次回」に加えて「次々回」まで免除されます(令和6年度上期の学科合格者から適用)。
つまり、技能に挑戦できる機会が2回あるということです。1回落ちたからといって、学科から積み直しにはなりません。まずはそこを安心してください。
※ 免除には申請が必要です。免除の申請をせずに学科試験から受験する申込みをすると、免除者としては扱われません。申込みのときに間違えないようにしてください。
※ 出典:電気技術者試験センター「学科試験免除対象試験の拡大について」。制度は変わることがあります。受験される年の受験案内で必ずご確認ください。
練習する前に。複線図、本当にわかっていますか
いきなり作る練習に戻る前に、確認してほしいことがあります。
複線図が本当にわかっているか。ここです。
別の記事にも書きましたが、落ちる人の多くは手が遅いのではなく、迷っています。そして迷いの正体は、たいてい複線図があいまいなことです。
ここを飛ばして練習量だけ増やすと、同じところでまた止まります。時間ももったいないです。
公開されている13問を、繰り返し書きます
やることは単純です。候補問題13問の複線図を、繰り返し書きます。
候補問題は試験の前に公表されますから、本番で何を作るかは先に分かっています。だったら、作る前に全部書けるようにしておけばいいんです。
材料も工具もいりません。紙とペンだけでできます。落ちたあとの立て直しとして、いちばん手軽で、いちばん効きます。
ちなみに私は、同じ問題を10回は書いたと思います(笑)それくらいやって、やっと手が勝手に動くようになりました。
仕上げは、問題用紙に書く練習も
小さいことですが、これもおすすめです。
最初はノートでも、別の紙でも構いません。まずは書けるようになることが先です。そこで用紙を気にしても仕方ありません。
ただし最終的には、問題用紙に書く練習もしてください。
本番にあるのは問題用紙だけです。しかも書くスペースは、さほど大きくありません。広いところで書き慣れたままだと、本番で「あれ、収まらない」となります。
候補問題はダウンロードできます。パソコンやタブレットでPDFを眺めるのではなく、印刷してください。そして、その問題用紙のスペースに書き込む。地味ですが、これが効きます。
そして、色を変えて書いてください
ここが今日いちばん伝えたいことです。複線図は、色を変えて書くべきです。
| 線 | 書く色 |
|---|---|
| N(接地側) | 青 |
| L(非接地側) | 黒 |
| その他 | 赤 |
| 器具 | 緑 |
ポイントは、実際の線の色となんとなく合わせることです。接地側は実物では白ですが、紙の上に白は書けないので青にしています。
器具は緑で描きます。線と器具が同じ色だと、どこが接続点なのか分かりにくくなるためです。
5色ボールペンがおすすめです。1本あれば足ります。
色分けすると、本番で図を見ながら作業できます
なぜ色を分けるのか。理由ははっきりしています。
本番で、その複線図を見ながら作業できるからです。
白黒で書いた図だと、目の前の線と図を頭のなかで対応させないといけません。手を動かしながら、それをやるわけです。ここで迷います。
色を合わせて書いておけば、図と手元がそのまま対応します。「この青が、この白い線」と一目で分かる。迷いがなくなります。
技能試験で怖いのは、「あれ、これで合ってたっけ」と思った瞬間です。そのとき手元に色分けされた複線図があれば、確認して「やっぱり大丈夫だ」と思えます。それだけで手が動き出します。
目安は3分。書けたら、もう理解しています
「どこまでやればいいのか」が分かりにくいと思うので、目安を書いておきます。
複線図を3分くらいで書けるようになるのが理想です。
なぜ3分かというと、3分で書けるということは、もう悩んでいないからです。手が止まらない。考え込まない。理解している証拠にもなります。
逆に言えば、時間がかかっているうちは、まだ分かっていないということです。書けたかどうかより、どれくらいで書けたかを見てください。これなら自分ひとりでも判定できます。
ちなみに私は、受講生に「もう一回書いて」「もう一回書いて」と言い続けます。3分で書けるようになるまで、よしとは言いません(笑)
意地悪をしているわけではないんです。そこを越えないと本番で迷うと、分かっているからです。
13問すべてを3分で書けるようになったら、そこから作る練習に入ってください。順番が逆だと、材料も時間ももったいないです。
落ちた原因が圧着だった方へ
もし心当たりが複線図ではなく、圧着でやり直して時間切れになったほうなら、対処が違います。
そちらは練習量ではなく、工具が手に合っているかどうかの問題であることが多いです。圧着工具の記事に詳しく書きました。
まず、自分がどちらで落ちたのかをはっきりさせてください。そこを間違えると、努力の方向がずれます。
心当たりがない方へ。よくあるのはこの2つです
ここまで読んで、「どっちでもない気がする」と思った方。そういう方こそ、ここを読んでください。
実は、迷いと圧着で落ちた人は、たいてい自分で気づいています。「あそこで詰まった」「あれをやり直した」と、はっきり覚えているんです。
逆に気づいていないのは、小さな欠陥で落ちた方です。作品は完成したし、時間も足りた。なのに落ちた。心当たりがない。
そういう方は、まずこの2つを疑ってみてください。
| 疑うところ | よくある間違い |
|---|---|
| 電球のソケット (ランプレセプタクル) |
輪づくり自体は合っているのに、取り付けるときの向きが違う |
| LとN | 取り付ける位置が逆になっている。最初のうちは割と多いです |
どちらも作業そのものはできているのに落ちるパターンです。だから本人は気づきません。「ちゃんと作れたのに落ちた」と思っている方ほど、ここです。
そしてこの2つ、複線図を色分けして書く練習でかなり減ります。LとNを色で分けて書いていれば、位置を間違えにくくなるからです。結局、最初の話に戻ってきます。
技能で落ちたら、学科からやり直しですか
いいえ。申請すれば学科は免除され、技能から受けられます。令和7年からは免除の範囲が「次回」に加えて「次々回」まで広がりました。ただし申請が必要なので、申込みのときにご注意ください。
また落ちるのが怖いです
落ちた原因が分かっていれば、次は違う結果になります。怖いのは、原因が分からないまま同じ練習を繰り返すことのほうです。
複線図は書けます。それでも落ちました
「書ける」と「本番で迷わない」は別です。色分けして、見ながら作業できる図になっているかを確認してみてください。あるいは原因が圧着や時間配分のほうかもしれません。
13問全部やる必要がありますか
あります。どの問題が出るかは会場ごとに違うので、絞ると危険です。作る練習は材料が要りますが、複線図なら紙とペンだけで13問まわせます。
ノートに書いて練習してもいいですか
最初はノートで構いません。まずは書けるようになることが先です。ただし仕上げの段階では、印刷した問題用紙に書く練習もしてください。本番は書くスペースがさほど大きくないので、そこに慣れておくと安心です。
何回書けばいいですか
回数より時間で見てください。3分くらいで書けるようになれば大丈夫です。3分で書けるということは、もう悩んでいないということなので。ちなみに私は同じ問題を10回は書きました。
自分がどこで落ちたのか分かりません
迷いや圧着で落ちた方は、たいてい自覚があります。心当たりがない場合は、ソケットの取り付けの向きとLとNの位置を疑ってみてください。それでも分からなければ、1コマ受けていただければその場で分かります。作るところを見れば、迷いなのか工具なのか時間配分なのかは、はっきり分かれます。
不合格からの立て直しは再受験・弱点対策のページにまとめています。複線図と学科のつながりはこの記事に、落ちる原因の全体像はこの記事に書きました。自分の弱点を見てほしい方は、無料体験レッスンからどうぞ。